動的な「イングルハート-ヴェルツェル図」|世界価値観調査

visual representation of World Values Survey

「世界価値観調査」の視覚的表現

動的な「イングルハート-ヴェルツェル図」

このコンテンツでは、アメリカの政治学者ロナルド・イングルハートの比較検討したものを基礎データとしてとりあげる。イングルハートは「文化的な価値観は、社会的・経済的な要因に影響されるのではないか」と考え、それを調べるために、以下のようなふたつの文化的な対立軸を設定した。

  • 「伝統的価値(前近代社会)」vs「世俗ー合理的価値(近代社会)」
  • 「生存価値(産業社会)」vs「自己表現価値(ポスト産業社会)」

伝統的価値というのはたとえば権威や伝統的な家族の価値観を尊重し、宗教/親子関係を重要視する一方で、離婚/妊娠中絶/安楽死/自殺を否定するような価値観。世俗ー合理的価値というのはこれらにとらわれない価値観が想定されている。

生存価値というのは生きて行くのに精一杯であること、自己表現価値は生きていく経済的な力はあるのでその上で自己表現に重きを置く、LGBTに代表されるような多様な生き方を認める価値観といったニュアンス。

「世界価値観調査」による回答をこの対立軸上にプロットした図は「イングルハート-ヴェルツェル図」(Inglehart-Welzel Map)と呼ばれる(右図)。

といった特徴が見て取れる。この図の動的なヴァージョンを作成した。操作することで経年の変化をみることができるほか、その国の地理的/文化的グルーピングがイングルハートたちの恣意的なプロットかどうかも検証することができる。また各国ごとに別の属性(G8/OECD/英語非英語圏など)をプロットすることで別な特徴を見いだせる可能性もある。